モクズガニ

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豊平川モクズガニを見つけた。同じ場所で昨年だったか、見た事はあったものの、先日は3匹を見つけ、思い切ってカメラを持って撮影に行く。何時も街並みを撮影する場所、実は足元にたくさんの水生生物が居た。

人によっては気持ち悪い写真かもしれなのだけれど・・・載せる。

足元にこのカニの足が見えた時は驚いた。巨大なクモのよう。脚を広げると自分の指程も長い。両側の脚を広げると20cmほど、甲羅は私の手をすぼめた程度の大きさもある。ネットで調べるとモクズガニは淡水域では大型種の蟹だそうだ。完全には淡水生息が出来ないらしく、産卵は海で、小さな時に川を遡るらしい。寿命は3年~5年とあった。見つけた場所から石狩川に合流しその河口までは30kmを超える。本当にここから海へ行くのだろうか?


見つけた3匹は、どうも巣穴が決まっているようだ。秋に海へ向けて出発するまでは観察出来るかもしれない。なにせ、自転車で10分の場所にこんな大きな野生生物が生息していて安定して観察出来るとは! 驚きだ。

沢蟹なら石の隙間に容易に隠れられる。けれど、成長したモクズガニはそうも行かない。ある程度大きな石か掘った穴か、ここのように護岸の隙間を見つけては定住するのではと思う。藻を食べている所も見られたので、雑食なのかもしれない。良く観れば甲羅も脚も年季が入っている。ここまで大きいとウグイに狙われる事もないだろうし、連鎖の頂点に君臨しているのだろう、そういう迫力が感じられる。大きいけれどおそらく、栄養は多くなく脱皮の機会が少ないのかもしれない。海の蟹に比べたなら成長は遅いのかもしれない。そして、とても臆病だ。なかなか全身を見せてくれない。川底に居ると直ぐに分かる。擬態に優れている様には見えない。脚形状を考えると泳げないだろうし、俊敏にも見えない。群れる事はなさそうだし、寿命の大半は孤独で気ままに生きているのかな?

上海ガニと同種で美味しいらしい。観察してしまうと愛着を覚えるので食料には見えなくなってしまう。嘗てはきっと貴重な食料だったのだろうな。


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小魚は無数に居る、群れているのか、淀みを選んだ結果集っているのかはわからない。常に新鮮な水の流れのある淀みか浅瀬に何十匹か何百匹か数知れず。

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ウグイではないか?と思うのだけれど魚に詳しくなく分からない。先の小魚が一年目、こちらは2年目かもしれない。10cmより小さな佃煮サイズだ。俊敏だけれど、夜は眠っているのでじっとしている。

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ハゼ?かな。小魚時代はウグイの小さいのと同じところに居る。このサイズになると護岸の縁など川底に居る。夜は寝ているのでじっと動かない。しつこくライトを当てて追い回すと面倒くさそうに泳ぎ出す。俊敏に動くのではなく擬態でやり過ごしたいみたいだ。

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エビ。川の流れの殆ど無い淀みにたくさん居る。夜行性だろうか、忙しく川底や護岸の壁、もの中を動き回っている。


何か少し、夏休みの自由研究のような事をしている。生物の住処、住まい方、生き方の観察は面白い。同じ場所で春にはヒバリを観察したわけだし、興味深い。水があれば生物が居る。

ちなみに、夜の川は危険だ。自分は昼間も散歩に行くし良く知った場所で観察をしている。川には入らず護岸ブロックの上から浅瀬を眺めるだけのお手軽観察です。

 

【2021.07.24】知人に聞くと、魚は「ウグイ」ではないらしい。ヒレの数が違うとか。あれだけたくさん居る魚、中島公園に居るにも同じだと思うのだけれど、今の所は「謎の魚」だ。