【DOMA/yamanote】の「ドマ」を振り返る・・・⑨

「ドマ」は区分けされた広い玄関やサンルーム等ではない。室内にあって、最も大きく長い空間を想定している。ドマを介して内と外を結ぶ。各スペースよりも遥かに大きく、まるで「外」。室内が床の仕上等の「質感」、空間の大きさの違う「スケール感」、更に採光仕組みの違う「光」の空間3要素をデザインしている。

基本的にはリビングとは一体的に考え、空間の奥行きを担わせるなど多様な空間の一端を強く担わせている。きっと、人によってはリビングを広くする事に価値を見出される方もあると思う。用いるかどうかの選択はクライアントにお任せ。使うなら、徹底的に楽しみたい。

好きな「光」は、このドマのような大きなスペースでは様々に輝く。

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引越しされ直ぐに届いた写真だったと思う。西日がここまで伸びるとは!驚いた。ダイニングから三角山の見える、やや低い位置に設けた横スリット窓からの陽射しが室内に映える。映えるのは珪藻土の壁。この壁が綺麗に仕上げられ、本当に良かった。

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竣工写真を撮っていた時、先の横スリット窓の陽射しがドマでバウンドして跳ね返り、階段段板を透かして下から照らし出した時はビックリした。パースでこれを作れば、ウソーって絵にしかならない。事実は小説より奇なり。つい、登りたくなる。

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「ドマ」の一端をどう始末しようか?光映える壁で終えたなら、きっと美術館のような具合が出来たと思う。けれど、ここでは洗面台を置いた。水廻りをどうコンパクトで機能的に納められるかは設計技量が問われる。

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収納を鏡付メディスン箱や別にも確保が出来ているので、洗面台は綺麗に設える事が出来た。もちろんクライアントと相談の上で決定をしている。家族は必ず使う場所で朝も夜も使うだろう実用のスペースをドマの一端に据えた。

木のカウンター上にベッセル型のシンクを置いている。水栓金具はシンク内に納まるもので、それでも水はねはあるだろうから、木カウンターの清掃は必要になるけれど、塗装を含め対応をしている。結果、居心地良く出来てい嬉しい。閉じられたユーティリティーで、というよりも楽しいし。

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「ドマ」の反対側のもう一端を見上げる。あと少しコストを掛けられたなら、窓は壁までの特注サイズにしたかった。まぁ、それは設計者のエゴかもしれない。としても、期待した通りの光が差し込む貴重な窓になっていて、このドマの健やかさを確かにしてくれる。

このコーナー窓は最後まで悩んだ開口だった。見返すと模型もパースも違うデザインをしている。高所に設けようか、南側か西側か、大きな窓か・・・空間構築にあたり、最も悩んだかもしれない。

・・・後に猫が窓台に居てくれ、そうか、君の場所だったのか!と知る。

 

 

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