百年記念塔チカホ展計画④ 準備


チカホ展様に新たに制作するパネルの検討。アトリエの壁に貼っては確かめ、修正を加えを繰り返した。まだ、貼ったままだ。

ギャラリー展では図面からモデリングする過程で得た造形プロセスが最重要だった。実は模型ではなくそれがメインだった。実際、案内させて頂いた方の多くが目を輝かせてくれた。チカホ展ではそれはプロジェクターのスライドショーとする。説明なしでの理解は難しい。チラッと寄って下さった方に伝えたい事を考える。その他はギャラリー展で製作したパネルが映える、はず。

展示ポスター、会名簿、意見書、アレクサンダーの一文の4つ。代表親分の意見書は当初A1サイズパネル2枚分に及んだ。流石にそれでは読み飽きられるので1枚に整理出来る様に求めた。本当は更に半分に・・・とは思ったものの内容は濃く、想いは強く、通り行く場所で読んで頂くには文字は小さいものの、良しとした。

この展示に説得力を与えるのに必要な事は、『誰が発しているか?』だろうと名簿の展示に了解を得た。この展示の要でもある。誰?北海道の殆どの建築家が集う。その総意としての展示だ。眺めた方は驚かれたかもしれない。

新規パネルは錆びて黒い記念塔の外皮を背景に揃えた。展示に合わせ映える様、色は落ち着きつつも彩を何とか。ポスター青、黄、赤と。チカホは薄暗く無表情なインテリアなので、照明を当てたなら彩も与えられるだとうと考える。

実は好きなのはアレクサンダーの一文。これは2020年10月に小樽市立美術館で催された展示で掲げられた一文になる。気付いたのは後輩で、実に気の利いた一文だ。『塔の思想―ヨーロッパ文明の鍵』の本の一文らしい。文芸館には適切に本、一文を明かす事の出来る人が在るらしい。

ランドマークたる「塔」の存在をどう説明すべきか?極めて難しい。塔信仰は根源的な建築行為に違いない。大黒柱と言えば今も通じる。ヨーロッパの広場ならオベリスクが立ち、ギリシャの柱(オーダー)は今も象徴だ。旗を立てるのも同じ意味に違いない。社会的、経済的、合理的、実用的、芸術的、根源的・・・小樽市美術館に習い、証す。


塔はみずから倒れぬかぎり、
他から破壊されはしない。
塔は変化きわまりない時代の
営みをよそに、いつまでも塔の
ままなのであり、独立の、
自由な個人のままであった。
これこそ塔の力、塔の秘密であり、
われわれの町や村全体に対して、
塔がもっている重要な意味である。

マグダ・レヴェッツ・アレクサンダー