春の北海道。

海外の友人がこの春に北海道への旅を計画し、観るべき場所を尋ねられた。私に会う以外に!? さて、何を知らせるべきだろうか。

自分の住む場所をプレゼンテーションをするのは実は難しい。

札幌なら?例えば道庁は一風景に違いないけれど、超える建築は世に多し。時計台は「?」となるだろうし、テレビ塔は逆にスケールの小ささの証明になってしまいそう。百年記念塔が無事なら、周辺施設は充実している上に、野幌の森なら春の北海道を伝えられる。抜群の場所なのにな。

道東は、まだ寒い。好きなチミケップ湖は凍っている。良くて産卵のために冬眠から目覚めたカエルが鳴いているくらいか。温暖な道南は桜が楽しめるはずだけれど、人混みでホテルは高く、私自身の足が遠のく。


ちなみにコレは10年程前の4/28の札幌国際スキー場。山頂は抜群のパウダースノーであった。そういう年もある。今年は、春は早そうだな。



春らしく「桜」を楽しむなら、おそらく道南が良いに違いない。一般には「函館」がお勧めだと思う。五稜郭など綺麗そう。
https://goo.gl/maps/c2J15tfYozim8MzA7

学生時代に初めて春の函館に行った時は「なるほど!」と感激した。後に仕事で足掛け3年近く通ったはずだけれど、流石に仕事の時は「桜」を楽しむ余裕はなく、一枚も写真がない。着工間際なら当然、一息つけるのは仕事を終えた夜だろう。

観光シーズンは人も多く、ホテルは高い。連休最中に打ち合わせに行こうものなら道は混み合うので、あまり行きたいとは思わない。

混み合う場所を避ける事、私の優先順位は高い。桜を楽しむのなら、何処ででもと思える。と言う事で、思い付きを記してみたい。


有珠善光寺 Usu Zenkoji Temple
https://goo.gl/maps/jV1noRFb7R1bjPT39
桜も綺麗な場所で、建物はよく空間、場所もいい。北海道の文化と歴史、環境を感じられる「良質空間の基準」だと思う。時折訪ねてはリセットする、貴重な場所だ。


■北黄金貝塚 Kitakogane Shell Midden
https://goo.gl/maps/riyrpZjv1MtZBkvn9
世界遺産の縄文遺跡群の一つになる。もともと噴火湾善光寺しかり、温暖な地域でもあり、いつ訪ねても心地良い。「人が住みたい!」と思う場所を素直に選んだ場所なのだと思う。経済社会が良しとする利便性は優先されない。


■トッカリショ浜 Tokkarisho Beach
https://goo.gl/maps/uuvSJkaCvuSXMpup9

桜は無いけれど、春の太平洋は気持ちいい。階段を長い事下りる必要があるけれど、浜は殆ど人が居ないのでピクニックもいい。ついでにイタンキ浜でのんびりしたい。


■キウス周堤墓群 Chius Embankment Tombs https://goo.gl/maps/fuMBcpQr23Z9hXBs6


写真は夏のもの。けれど夏は虫が多くて落ち着いて眺められないので、虫のいない春は実は眺めるのに最適な季節だ。ただ、今は底部分は立ち入り禁止かもしれない。地盤を2m堀、その土を周囲に3m盛った具合だったと思う。航空機が入る程の大きな周堤墓もある。国内最大級の縄文遺跡、エジプトでピラミッドが造られていた晩年の3000年程前だろうか、当時の人の土木工事の痕跡は今も確かに残る。

ここは特別に好きだ。


平取町立二風谷アイヌ文化博物館  Biratori Town Nibutani Ainu Culture Museum
https://goo.gl/maps/a2VGtLy623dMSECr9

アイヌ文化を知るには最も良い場所だと思う。しかも、景観が良い。選んでここに住んだのだろうなと思う。 昔の人々の北海道の楽しみ方を垣間見ることができるように思う。


■旧余市福原漁場 Former Yoichi Fukuhara Fishing Ground
https://goo.gl/maps/s6shgRoZkt1uTcnR6

日本海に面した古い漁場跡を興味深く楽しめる。その上、桜がとても美しい。場所は余市、他にも良い場所がある。ニッカウヰスキーの工場を加えたなら一日コースに出来る。


アルテピアッツァ美唄 Arte Piazza Bibai
https://goo.gl/maps/hBPfxTDr7WZJgrDn6
安田侃の彫刻が北海道の田舎の風景と相まってとても美しい。 良い所に一本の桜がある。咲いていればラッキーだ。


中島公園(札幌) Nakajima Park (Sapporo) https://goo.gl/maps/TZQCJp3fCEFyePHL8


札幌の中央にある中島公園は桜も綺麗だ。いつもは広い公園に思えるのに、GWは多くの人が桜を楽しむのか混み合う。なので、夜に街灯の下で桜を眺めたりする。




西岡水源池での一枚。今は道が整えられてしまい観る事が出来ない。雪解けの水溜りは小川の流れの淀みとなっていて、小さな生物がたくさん居た。小魚はここで群れを成し、水が枯れる初夏までに体を大きくして巣立って行く。周囲には水芭蕉をはじめ春の植生が楽しめた。私には桜よりも、本当はこういう自然の季節のシーンが好きだ。


春の北海道、案内役として私は役立たない気はする。私好みしか伝えられない。けれど、記したものは「春」に違いない。桜の後のツクシが伸びる頃の美唄アルテピアッツァも良いし、楽しみ方は様々にあると思う。観光地の見事さは疑えないものの、ゆっくりと実感を伴い感じる春を探すのは楽しい。


と、言う様な事を海外の友人には返信したのだけど、ヒントになったのか、どうなのか。遊びに来てくれたなら改めて経過を報告するかもしれない。