映画を観る。

日帰り仙台は雨、予想を超え7km前後も歩いた様で運動不足も重なりこの週末は足が痛かったです。所要を終えた後に微妙に時間が空いたので、以前も利用した駅東にある小さな映画館を訪ねた。観たのは『せかいのおきく』。

江戸時代の青春ドラマだったようなのだけれど、糞尿のシーンが執拗で多過ぎではないか?感情の変遷や変化が唐突で「そうか、そうだよね」とは至れなかった。観るべきとは思わないけれど懸命に撮られた一本なのだと思う。

主演の黒木華さんは良い女優さんだと思う。立ち振る舞いに仕草、表情の一々が丁寧で情感に溢れ観ていて飽きない。この人が凛として恋する乙女を演じていなければ糞尿にまみれた映画になってしまう?同程度に男共の情感も伝わるように描かれていたなら私にも伝わるのに。

アンジェイ・ワイダの「下水道」は終始、悪臭を実感させられた。それが相乗し登場人物の全てが救われない悲劇的な結末を実感さるに至る。こちらは名作なので然りかもしれない。執拗に描いた糞尿、そのリアルさ故に無鉄砲で先も知らずに生きる若者に、もう少し無茶をさせられれば聴衆に「青春」を実感させられたのではないだろうか?と思えてしまう。出来る役者が揃っているようにもみえたし。

久しぶりの映画館は、実に久しぶりの邦画であった。