とあるS造(鉄骨造)のカーポート、更に追加。

■Phase1:閉じた状態


■Phase2:2面全開放!

■Phase3:展開!



3Dモデルを一度製作してしまえば、後にアレコレと試す事が出来る。「カーポート」で計画されたこの小さな建築には「物置」も設えられていた。この物置は庭に面していて、道路からの視線を遮る目隠しの役割も担っている。つまり庭は外からは覗かれない、プライベートな間が出来上がる!あたかもコートハウスのように。

この「物置」をさらに発展させられないか?と思い立つ。

思い立つと寧ろ、物置が主役でカーポートが序と言って良いくらいに興味深い。木造では小さな建築ほど壁(地震や風に耐える壁)の配置に悩むのに対し、鉄骨ラーメン構造なら、設けた物置は耐力壁も柱も不要でプランは「自由」だ。壁の全て建具で作る事も出来る。と言う事で、庭側とアプローチ側の2面を連動する建具として全開放出来るよう試みた。

開放すると物置の中は丸見えになってしまうのだけれど、庭からしか見えないので良しとする。建具側には天井にパイプを設え、吊り収納が出来るような工夫も考えられる。普段は自転車置場かな。アウトドア用の椅子やテーブルを用意しておけば、いつでもphase3のような寛ぎの場が出来上がる。しかも、道路からは隠されたプライベート空間として。

序に、軒下際にカーテンレールを設えテント地のカーテンを用意すれば雨を防ぎ、冬場でも使える工夫が出来る。今はアウトドアブームで都合の良いツールが様々にある。携帯用の薪ストーブを用意すれば冬でも楽しめてしまう。コンパクトな椅子やテーブル類なら収納に困らずに10分で一家族が集う場所が出来てしまう。水だけ要しすれば至福の珈琲タイムも。


気密断熱が求められる建築では、この様に開放するのは難しい。第2のリビングとして外部空間を活用出来るなら、住まいをより楽しく出来るかもしれない。後から増築となればコストは嵩むので、設計時に最初から組み込めるなら?母屋と一体なら構造も考え易い。

※小さな建築は高上りとなる。このカーポートは水廻りがないだけで一通りの工種が必要となる。土工事は僅かでも重機は要るし、コンクリートを打つならポンプ車も要る。半日で終る塗装工事でも・・・安くはなかなか出来ません。


注意すべきはスケール感になるのだと思う。鉄骨造を思慮なく設計してしまうと極めてゴツく大柄になりがち。如何にスッキリとコンパクトにまとめ上げるかが大切だ。立派な規模になってしまうと威圧的で居心地は損なわれてしまう。と言ってせせこましく設えては使わない使えないだけの無駄になってしまう。可愛らしい印象に造れれば庭との親和性は高く、居心地の良い空間が出来るに違いない。

【Bookshelf】の庭は参考になるはず。


過去の記事
■とあるS造(鉄骨造)の下屋建築。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート、追加。
■とあるS造(鉄骨造)のカーポート、更に追加。