【 エスコンフィールドへ 】 その⑨ ドームとの比較を住宅事例で。

■札幌ドーム的な住宅プラン・タイプ


住宅事例で例えると、このようなLDK

この住宅はLDK+和室が一体となっていて、寝室やエントランスホールは空間を別にする。長大な連窓は屋外への眺望を豊かに、勾配天井の室内は大きく、大きな家具を並べても余裕ある広さのココが、札幌ドームのメイン空間に等しい。出入口は限定されていて、ここで動線は交差しない、落ち着いた空間となっている。


連窓の長さは左隣の和室を含めると12m程、天井の梁は大断面集成材である。夕暮れ時は静かに暮れる窓の外、空の明るさで室内は静寂、落ち着いた空間でもある。

・・・普段、設計する住宅がこのLDKに納まる程に大きい。

アイランドキッチンは珍しく家電を隠さないプランとしているのだけれど、高価な家電を納めているので良しとする。生活の主たる空間ながら生活感を見せずに人を招く事が出来る、そんな一例。



■エスコンフィールド的な住宅プラン・タイプ



例えば住宅事例ではこのような具合。



右側は【ドマ】、エントランスから階段、その奥に洗面や水廻りに浴室、トイレがある。オープンキッチンは家電類を奥に隠しているので生活感は出てこない。ドマでは子が行き交い賑やかになるのだけれど、リビングは写真の手前の広がりにあり、一体的な空間なのだけれど、動線は区別し、繋がっていても見えなくとも良い室は隠されている。けれど、写真上の隙間は2階、リビングは見えていたりする。


小規模な住宅ではあるものの一体的に施した室内は、かなり大きい。ドマがあり、一段高いリビング・ダイニングがあり、見えないけれど繋がる水廻りに階段、2階の居室に寝室へのブリッジ・・・けれど家電は見せずに生活感を見せない空間。

ワンルームの一体空間は節度を失うと混乱してしまう。山小屋風ならそれで良いけれど、日常を送るなら分別は欠かせず、日常であっても来客に応対できる穏やかさを創る必要がある。

エスコンフィールドは野球に特化しているので、その点では容易だろう。日常ではなくゲーム時に特化しているので。



建築的空間の質を問えば目的に応じてどちらも在り得る。どちらを選ぶのかは要望次第だ。前者は或る程度の規模が必要にはなるのだけれど。楽しさはどの様な選択をしても必ずある。それを探し実現するのが『設計』だ。


本当は、実際に住まわれた姿を紹介できると良いのだけれど、それは紹介が難しい。実際に設計する際はオーナーにお願いをし事例案合をさせて頂く機会があるでしょう。

 


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