雪の結晶、改めて観察する。

雪の結晶、札幌でも確認が出来る。ただ、あまりに小さいのでぼんやりと良く見る6角形の結晶状であるような気がする、程度。或いは、1月初めの冷えた夜の雪でなら、もう少し正しい形状を確認出来るのかもしれない。

1月末の夜の雪は、まだふわふわと軽さがあった。ただ、気温はそこまで冷え込みは無く、寧ろ暖かくすら感じられる。降り落ちた直後の新鮮な雪を見ても、結晶はどうやら溶け始めていて脆い。

雪の結晶は基本形は平坦、ふわりと着地出来れば良いのだけれど、角度が悪いと着地時に壊れてしまうのかもしれない。非常に薄い板でもあり、少し角度が違えば歪んでも見えるし、損壊なく着地出来た結晶の板を探し出すのが実は難しい。

f:id:N-Tanabe:20210130033441j:plain
暗闇では空の明るさの下で白い雪原、ふわふわ感があるのは、密ではないからだ。夜の暗がりでも感触が伝わる。こんなテクスチャーで建築を仕上げられたら光線の当て甲斐もあるし面白いのに・・・埃が溜まって大変か?

マクロレンズで撮ったこの写真、5cmも離れるとファイダー内では遥か彼方のようでボケる。綺麗な春のコケでも撮っているような気がした。10秒、20秒と露光する間にも降り積もり、それがボケて写りもする。身を屈めての窮屈な撮影、もっと寄らなければ結晶は見えないし、雪を撮るのがこれほど面倒な作業だとは。


f:id:N-Tanabe:20210130033509j:plain
けれど、興味はある。道北や道東の高所へ行けば、綺麗な雪を撮り放題なんだろうか?この距離で眺めると綺麗そうな結晶もあるのだけれど、おそらく着地前には溶け始めていて、壊れかけてもいて、着地時の衝撃もあり、他の結晶とも直ぐに結びつく。絵に描いたような綺麗な結晶はまず見当たらない。

f:id:N-Tanabe:20210130033534j:plain
雪の中にLEDのランタンを潜り込ませると結晶が浮かび上がるのではないかと想像していたのだけれど、雪の残骸のみが写る。魚の骨のような、結晶の基本形の6本の腕がバラバラになったものが多層に積み上がっている。

f:id:N-Tanabe:20210130033552j:plain
腰が痛くなり、自分は何をしているのか?とふと疑問を覚え我に返るくらいに、照明をあれこれ照らして出来るだけ綺麗な結晶を探し出し、何とかその微小の対象をカメラに捉え勇んで撮影してみたものの、そうでもなかった。上手く照明が当たれば薄い円盤上の輝きに出会う。

もう少し積もって屈まずに済むくらいに、座った目線くらいにまで雪が積もれば、探し易いかな。砂漠で何か無いものを探す気分だ。


 ・・・改めて見返すと、雪の結晶は手裏剣に見える。つまり、雪原は手裏剣の山か?