地震

設計において建築への負荷は様々にある。地震、風、積雪、凍結・・・北海道では凍結震度は基礎深さに影響しコストに反映される。積雪は道内では多様、最小と最大地域では梁背が2サイズは違う。風は案外に強烈で形状によっては地震を上回る事もある。そして、地震は何よりも強い負荷を建築にもたらす。

東北での地震は青ざめる規模だった。震度6で強弱の補正が加えられたものの、強烈に違いない。防災センターで経験したのは震度7、分かっていても立って居られなかった。ネット上で閉じていたはずの扉が開き中の物が床一面に散乱するキッチンなどを多数見かけた。あまりに凄絶で寝られない夜を過ごした。

東北は幸運にも縁を持つ事が出来た地。札幌からなら飛行機で飛び越えて東京関東に行ってしまいそうだけれど、縄文探検?でも2度訪ねた上に、自身で設計にも携わっている。携わった建築がその夜の地震で揺れたと思えば、どうしているか?気掛かりになる。

生命を守るシェルターになれたのか?これは最初に思うこと。無事に建って居るかは安全の次に思うこと。次いで、何事もなく翌朝を向かえてくれたならと思う。

我ながら、今の日本の建築の凄さを思う。崩れたり危うい建築の報も目にしたけれど、夜更けでありそれが幸いだったのかもしれない。建築が人命を損ねる事はなかったらしい。震度が1違えばエネルギー規模は相当になる。震度6は笑顔で応えられる範囲なのだから、びっくりだ。

不安を感じ、夜更けに幾人かに連絡してしまった・・・自身の安心のために無駄を費やしてしまった。申し訳ない。送った短文は「無事?」程度だったのだけれど。

時間を置いて幾人か電話をした。お世話になった方や直接のクライアントや、大学同窓の友人等に。郡山の友人は、10年毎に戸棚をひっくり返すのは勘弁してくれと言っていた。手に負えずスコップで片付けているらしい。無事な連絡、声が聞け安堵した。
震度6では2日目には通常のニュースしか聞かれないけれど、被災地はまだ渦中にあって、でも元気だ。激震地のクライアント現オーナーは、「どうしました?」だった。凄いなーと感心してしまう。