『沈』

衝撃的、或いは笑劇的?な事実を記す。
本日、人生初めての『沈』を経験した。
それは突然の事だった。
突然であっても、その瞬間には走馬灯が
過るはずではないのだろうか?
あー!沈?そこから、アレコレと思い巡り・・・
現実には、アレ?
気付けば、美々川に立っていた。

そう、立っていたのは美々川でだった。
千歳の、ウトナイ湖へ続く川の中。
流れてはいるけれど、あまり緩い川。

生まれて初めてライフジャケットの
恩恵に与った。流石のジャケット効果。

二人の、何があってはならない同期が
起きたのかもしれない。
前日の雨故に予想外の水量と濁り、
その濁流に呑まれる!と言う事はなく、
至って知った綺麗で静かな川面で、
あぁ~

まだ、冷たくはなし。日差しは暑く、
取り合えずは凍える事も無し。

まぁ、立てたし。
胸まで浸かってはいたけれど。

振り向き目の合ったのは、
いつもカヌーをお誘い頂く
【Bookshelf】のオーナーさん。

嘗て一度、支笏湖でアワヤ!を経験する。
偶然に同期して重心が偏り壮大に浸水、
キールを越えて入り込んだ水は多量、
沈むのかと覚悟してものの、
微動だに出来ぬ状態から復帰する。
水は重い。少量でも微動に敏感に反応し、
揺れを助長してしまう。
何度も思い出しても忘れ難い恐怖、
呑めば必ず話に出てします。

しかし、本当に『沈』してしまうと、
案外、失うモノはないと意見は一致する。
そう、もう何も怖くないわ。

まさか秋空に備えた厚着で水に浸かるとは、
当然、乾く事もなく後に凍えるのだけれど、
損失は携帯電話ね。完全水没。
本当は、載せぬつもりだったものの、
初めての美々川で出会う光景を撮りたいと、
油断してしまう。

まだ電源は入れず、ひたすら乾かす。
まぁ、電子機器の水没なので・・・

一度経験してしまい、電話も鳴ること無し。
無敵だった昨晩、今は、何か感じる。

きっと、この先はオーナー奥様に行く度に
からかわれる事になるのだろうな。