豊平川と幌平橋。


豊平川の何時もの場所は、雨もあり夏場にも関わらず水位は高かった。水位が高いなりに穏やかさがあるのは河川の許容量故なのかもしれない。大河ではないけれど豊平川もそこそこ大きな川なのだと思う。

ここの手前には段差1m程の堰となっている。堰を流れ落ちる川の端が興味深い。水際は渦を巻いて堰を落ち込んでいる。その渦の中は水流とは逆の巻き返しがあるのか、堰を登ろうとする水生し物が居る。時には徒党をないしている。ハゼ類は多く、昨晩はエビが居て、モクズガニも居る。序に夜も明るい豊平川にはカモメとサギが居て、この際を眺めていれば食に在りつける事を知っている。何時もの場所に訪ねると先ずは鳥に出会う。

その何時もの豊平川で特異なのは写真の左端に青く光る幌平橋だ。



「川見」と称してイベントが催されている。中島公園でカツラの木、その葉を眺めていた時に元気の良い男性が寄ってきてチラシを渡された。回覧板で知っていたし、二日ほど前に散歩した際に橋にLED照明が設置されているのを眺めていた。

点灯初日の光景、これはライトアップと言うか電飾なのだけれど、綺麗なのかどうかは悩ましい。唯の光害ではないかとも思う。


幌平橋はアーチ橋ではないらしい。吊り橋ではなくともアーチであれば構造を整理して繊細な構造を地震国で考える事は出来る。この橋のアーチ部分は展望施設で、その無駄を許容されたらしい。車で通る際は特別感はあるのだけれど、どちらかと言えば武骨な橋だ。

自然光をどう扱うか?そういう設計に挑む私は、安易に照明に頼る設計はしない。けれど、では夜はどう明るさを得るかはもちろん考える。ではこの橋、近辺の河川にどう照明を灯せば綺麗なのか?考えてしまった。

目立たせるなら正解に違いないけれど、これを切欠にして興味を覚えるかと言えばわからない。川の魅力・・・夜なら街中でも暗闇がある事なのだけれど、人が集い楽しい時間を刹那に築くなら、そう施せば良いのだろうか。

先日は豊平川の花火を見て、違う機会にできるかもしれないと思い立った。灯篭を岸に並べ暗がりとなる橋下に照明を灯せば間接的に橋を浮かび上がらせた上に、暗闇の河川敷に安全で安心の秩序を作れるかもしれない。


藻岩山を室蘭の測量山のようにライトアップすれば、星夜は失われるけれど札幌の地勢を示す事が出来るだろう。橋は暗がりの橋梁下に光を与えて間接的に橋自体を浮かび上がらせられれば、屋台設置のお祭りの場を求める企画にしてしまうのでなく、都心を流れる河川を通じて「場所」を知らしめる機会に出来るかもしれない。

つい、壮大なイメージを抱いてしまうのは、河川だから。GoogleMAPを航空写真として札幌を上空高くから眺めたなら、最初に河川が見えて来る。山の稜線と河川が場所を特定させる。ただ綺麗に見せてインスタ映えをなら目的は小さく何とでもなるのだと思う。これを芸術として展開できるなら都市を舞台にした挑戦となり、特別な機会が生まれるに違いない。

こういう市民活動が収益のための屋台場所に徹して縮小するのではなく、大きく広がって行くなら楽しい。果たして!!