映える陰。


夕陽が手摺の影を、開け放ったドアから室内に招き込む。今の季節の日常はつい見落とし勝ちで、時々にはっと気が付く。



どれの影だろうかと確かめに屋上に出ると、傾いた陽は長い影を床にも映えていた。



夏場は屋上に上げているミカンの木、小さな木だ。鉢だし。



昨晩の台風の名残は昼間も強風で、心配になって何度も見に行く。天気の落ち着いた夕暮れ時に眺めると、雨風が気持ち良い!という風に、この夏に開いた若い葉が綺麗に輝いていた。



試しに手摺を開放で撮ると、何やら形状が妙に写る。



人には見えない暗闇でも写す今のカメラ、ひょっとして街中の暗い空にでも星も見つけてしまうのではないか?と試してみた。なかなか雲の無い空はないのだけれど、雲間には確かに星々があった。この小さな光点はどう撮れば綺麗に見せられるのだろうか。