【 間取り・・・プランを科学する。】 設計考察 ⑥ 【Bookshelf】

【Bookshelf】これは転機となる住宅設計だった。

前事務所所属時代にネットコンペで優勝し、実現する。
極めて特殊な二世帯住宅の事例となるのだと思う。

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秋の頃の、外観全景。丁度良い敷地、恵まれている。

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その内観、ドマの眺め。先には薪ストーブが在る。
けれど、ここからでは遠く、意識から消えてもする。
世帯間を間仕切らずに、実距離で切り離すプランだ。

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設計ではやはり、随分悩んだ。クライアントと相談し、
提案しては修正し、最後は計画時に近いプランでまとまる。
修正は『動線』を数多く作り上げた事。これが素晴らしい。

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これは2階平面。先のものは1階平面となる。
階段を二つ設けた事で回遊が可能になった。

1階は共有するUT、浴室(BATH)、WCをコアにして挟み、
区分をしているものの、方々からアクセス出来る動線を確保、
多様な結びつきは、ここで『鬼ごっこ』や『かくれんぼ』が
出来る程。実際、引渡しの際は、施工者も交えてみんなで、
「しめた」をした。皆が私のリクエストに「!?」だったのに、
いざ始まれば熱中し、童心に帰って遊んだ記憶は忘れがたい。

DOMA/道南の家】とこの【Bookshelf】、最小限の住宅と
二世帯住宅の事例になるのだけれど、プランを科学する①
比べて全く類似しない事例で在る事は明白だろうと思う。
正に特殊な解答で、場所を知り、クライアントと共に悩み、
得た成果に違いない。

言葉では理解は難しく、実際に見れば明らかなのだけれど、
やはり理解は難しい。これら図版は手掛かりになるかも。
設計時にはいつも、こういう図版のような理解を併走させ、
間違いのないバランスを探すように工夫をし取り組んでいる。