【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】その5 背景パネル


これはA1サイズ6枚組のパネル。模型を見せるのに背景が白い壁では映えないので、当初から考えていたもの。ただ黒ければ良かったのだけれど、それだけでは無意味なのでアイディアを絞っていた。最後の最後に様々を取り組んだ成果です。

使ったのは7月の調査時に撮影した実際の塔の壁面、コルテン鋼の壁となる。これに実施図面の中から3D解析時に最も頼りになった「寸法基準図」と言う、通常の図書にはない図面を引き延ばして貼り付け、更にCAD製作した図案を重ねています。

つまり、コルテン鋼を黒板にして手描き図面とCAD図面を並べ相対するの図。



この図面は面白く、数式が示されていた。


最高点から30度に切り落とされる事も指示されている。

Digital Reconstruction、イメージではあるけれど、展示コンセプトを最もよく表した一枚です。このパネルを最後に確認すれば、全てが解き明かされ理解が進むはずです。

知るのは面白く、今は実体験まで出来てしまう。本当に良いデザインかどうかは、実際に訪ねて御自身で確認頂くのが最善です。改めて現地を訪ねても損は絶対にさせません。思わず、「おー!」と声がでるはずです。試してみて!!


A1サイズの出力はプロッターが必要になる。今はA3サイズ図面で事足りる世の中なのでプロッターを持っている事務所も少ない。そこで探された協力事務所に依頼したものの、お盆休みの最中であった。偶然居合わせた事務の方を伝い、担当者と連絡が取れ無事に間に合うはずであった。徹夜で仕上げた原稿を早朝に送る。担当の彼は朝に受け取り無事に出力を始める・・・ところが、量販店では売られていないプロッター専用の特殊インクが切れる!と悲鳴が伝わる。彼は休日出勤で仕事をするはずだったのに、朝から出力のみならず、インク切れで出力出来ない事態に対応、他の事務所を探し、結局は即日で出力できる印刷会社を探し、その日の夕刻には間に合わせてくれた。それが展示設営の前日だ。彼は、この日一日、何をしてたんだろう?状態だったに違いない。

そういう多くの人の協力の成果です。


【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】以前の記事はこちら!