学校建築。

鉄筋コンクリート造(RC造)の綺麗なラーメン構造で構築された5階建ての学校建築がアトリエの道路を挟んだ向かいに建つ。既に古い建築は、その時に考えられた学校建築の求める姿のまま今もある。今なら、様々なスタイルがあり、おそらくはよりもっとバラエティに富むスタイルを模索するのだとしても、この学校建築が劣るとも思われない。

実際、この校舎を学び舎として賑やかな佇まいが街並みを形成している。印象にあるのは暖かい季節の夕刻に、吹奏楽の部活だろうか?練習で吹かれる管楽器の音が響くのが日常だ。響く音の楽器は端と端に陣取り吹かれ、屋上に上がればステレオの様に聞き取れる。

寒くなり、雪もあり、窓の外など見ずに凍えていたのに、あれ?と気付き屋上に上がると教室の多くに灯が灯っていて綺麗な光景があった。ので、写真を撮る。普段は学校にカメラを向ける事はない。学校を撮る人なんて、怪し過ぎるだろうしな。

玄関の庇上には大きな時計がある。こちら側の歩道からなら辛うじて見えなくはないのだけれど、少し左右にズレると針の位置が危うくなる。屋上に出た私が最も良く見ているというか、私の為に備えられた時計なのだと思う。時間は4時25分、既に下校時間は過ぎているはずで、部活動のみならココまで教室は使われていないはずなので、何か催しがあったのかもしれない。既に日暮れ、北の空には未だ薄明かりの残るトワイライトの暗闇に教室の明かりが灯る町並みの、それが学校の子供達の生活が灯るのだと思えば、それだけで嬉しく楽しい気持ちにさせられる。

賑やかさの中でも子供達の元気が伝わる、写真にも写せるシーンに出会った。さぞ、校舎の中は騒々しく楽し気で元気一杯の、雪の日暮れ時の稀な一時で、そういう事も子供達には印象的に記憶されるだろう一日だったに違いない。