2020 タイ旅日記 ⑧ 『ワット ジェットリン』

夕暮れ前にチェンマイのホテルに着く。夕食前に時間があったので散歩をした。チェンマイも事前に下調べはしていたので、先ずはそれを確かめ距離感を知るにも良いかと出かけたのはホテルから歩いて5分ほどにある寺院『ワット ジェットリン』
首都の煌びやかな観光地の寺院ではなく、地域に根ざす日常にあるだろう寺院に出会えたように思われ、心から旅して良かったと思う。

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旧市街の城壁の中、やや静かな通りに面してお寺は在った。境内には明らかに古い仏塔がある。レンガ積は基本なのだろう。夕暮れ迫る長い日差しは色を帯びレンガと相まって燃える様だった。頂部の窟に小さな阿弥陀様が納まっている。

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静けさ漂う境内に異邦人一人。踏み入って良いのやら・・・でも踏み込もう。

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これが印象的な夕景だった。この旅で見た最も印象的なシーンだったと思う。

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見えている灯りの下には橋、その下は池。その橋の床は竹だった。ふかふかしていて、読める文字はすべてタイ語で読めず、渡って良いのか分からず。もしも注意喚起だったとすれば、私は勝手に訪ね落ちて・・・という事もあったのかもしれない。実に奇妙な踏み心地の怖い橋だった。でも、渡って振り向きも綺麗な光景。

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帰りは対岸の堅い道を歩いた。そこからの眺め。

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本堂では若いお坊さんがお経を唱えられていて、それは外からも聞こえていた。たまたま通りかかったお坊さんに尋ねると、どうやら入っても良いとの事だった。お経の主は大勢の修行中の若いお坊さんなのだと思う。入った時は皆が中央の巨大な阿弥陀様を向いていた。私は後ろ、末席にて写真を撮らせて頂いていた。すると、何かを合図に皆が阿弥陀様に背を向けて一斉に振り向いた。突然、大勢に見つめられる私・・・場違いでもあり慌てて立ち去ろうと努めたところ、この写真の左手にはこのお寺の坊守だろうか、もう一方があり声を掛けて下さった。「瞑想なので貴方はそこで写真を撮っても良いですよ」と言って下さった気がする。遠慮なく撮らせて頂いた。良く見ると、若いお坊さん達は皆がクッタクタの様相。面白い経験だった。

子供の頃にお世話になった故郷のあるお坊さんに「ブッターン サラマーン ガッチャーミー」と聞いた事がある。それが本当に唱えられていた。