様々な紅葉・・・実践編


紅葉には様々がある。そもそもはカエデ科、その種は羽付!!で実は寧ろ、そっちの方が気になるかもしれない。

実は、並べた6枚の中に偽物が混じっている。わかるだろうか?

先に解析した「紅葉」の「葉」の構造、その理解を基にした『生成ルール』に沿って亜種に製作を試みた。実証事件は「自然にみえるのか?」だ。

割とどれも、ありそうな気がする。完成されたルールを見つけ出せたならコピーや派生の考案は容易いのかもしれない。なかなかに驚きの事実だ。



■紅葉①
春の紅葉を解析し、そのルールに基づき生成した葉。
展開中心を1/5偏心した、正10角形の7つの頂点に
分岐した葉を持つ。




■紅葉②
展開中心は1/5偏心、正12角形の9つの頂点に葉を
生成したオリジナルの紅葉。
90度の交点に違和感を覚える。安定し過ぎるから?
固められるなら直交は可能、同素材では負荷が
集中するので寧ろ全体崩壊を予感させてしまうか?


■紅葉③
展開中心は1/5偏心、正11角形の8頂点に葉を持つ。
これもオリジナルの紅葉。
シンメトリーは自然の摂理に含まれると思われる。
植物の葉の生成では先端は独立している様に思う。
先端が二つに分かれる形状は記憶にない気がする。



■紅葉④
偏心1/5で正8角形の頂点7つに葉先を持つ。
これもオリジナルで制作した紅葉になる。
一般には、このように理解されているかも。
ただ、デフォルメされ過ぎた感がある。
中央が大き過ぎてバランスが悪い。


■紅葉⑤
偏心1/5、正9角形で6頂点に葉先を持つ。
もちろん、これもオリジナル生成の紅葉。
ナチュラルだし有り得そうに見えるものの、
二つに分かれた先端に違和感を覚える。

或いは、他の生物のある星の草葉の葉なら
常識になっているかもしれない。
生物は何時か、何処かで選択をしたのだろう。


■紅葉⑥

偏心2/5、正12角形で葉先は9つの頂点にある。
これもオリジナル生成の紅葉。
中心が移ると柄が長くなる。
柄とは葉柄(ようへい)と言い葉と茎を結ぶ部分。



■考察
完成された造形ルールを持つ『紅葉ルール』
基に様々を考察してみた。興味深い取り組みだ。
取り合えず制作した6枚中、本物は①のみ。

先端を二つに分ける選択肢は持たなかったらしい。
植物が最初に選んだ基本的な選択、或いは偶然に
取捨されたのかもしれない。
別世界なら分れた方が主だったのかもしれない。

直交の構造も自然の中では少ない印象がある。
先に記した様に、同質材では負荷が強く、
耐えられないからではないだろうか。
コストや製作、経済的事情のある建築では、
直交が主体だ。ラーメン構造なら鉄筋が集中する。
集中した鉄筋を見れば無茶しているのが分かる。
※コンクリートは入るのかな?と思うもの。

葉柄は葉と茎を結ぶ構造の要、そのまま伸びて
葉の構造に直結し支える上に、養分を伝達する
主経路でもある。長すぎては不利になる。
養分生成に必要な葉面積を最小限で支えるに
必要な長さ、太さにする必要がありそうだ。

紅葉①は私の解析理解。展開中心を1/5偏心し、
正10角形の7つの頂点に分岐した葉先を持つ。
中央の一枚は大き過ぎず、けれどダイナミック。
バランス良く見えるの事の合理的説明は難しい。
消去法では6種から最も相応しい選択には見える。

■想定円直径を15cmとした場合の各葉の面積

①:70.82 cm2
②:83.49 cm2
③:81.61 cm2
④:73.88 cm2
⑤:78.09 cm2
⑥:77.15 cm2

正解案①が最も面積が少ない。
画数の多い②が最も面積大。
葉柄と葉の主構造(葉脈)は
風雨に堪える最小構造として、
落葉の場合は半年程の間維持
出来る程度とした場合のコストと
バランスによるのではないか。
紅葉の単純幾何学による構造は、
確かな経験則に基づくのかもしれない。


カエデ類も他の葉の形状はどうだろう?
ナラの葉なんか、解析は可能だろうか?
古くからある種は割と芸術的か恣意的、
偶然の線が形作っている気がする。
コレに嵌ると、様々な分野を横断して、
生涯を掛ける仕事になってしまいそう。

時々、何か閃くものを感じた瞬間にのみ
取り組んでみよう。


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