【スケッチ】

サヴォア邸

この建築を理解出来なければ建築家の道は諦めよう、そう悲壮な覚悟を持って挑み訪ねた建築の一つがこの『サヴォア邸』だった。訪ねたのは随分以前の初冬、パリ近郊の住宅やら学校のある閑静なポワシーの町を歩き芝生に迷い込んで出会う。一人で対峙し終日向…

トリスタン・ツァラ邸

トリスタン・ツァラ邸をGoogleマップで見つけた!装飾は罪!の如くの言葉が印象深い古の建築家はアドルフ・ロースによる住宅はモンマルトルにある。とある機会に探してみて、Map上に見つけたので記して置く。私自身は随分昔に訪ねたパリの夜にモンマルトルを…

カテドラル その⑥ 【 サグラダ・ファミリア 】

『サグラダ・ファミリア (La Sagrada Família)』 基本的に訪ねた際は写真を撮る。この旅では数千枚を撮った。あまりに撮るのでフィルムに困り、もっとも安価なイルフォードの白黒フィルムを現地調達し使う。ただ、自分の手を動かさなければと毎日スケッチ…

カテドラル その⑤ 【 ケルン大聖堂 】

『 ケルン大聖堂 (Kölner Dom)』 ゴシック様式の教会が如何に巨大で荘厳か、まざまざと実感させられたのがケルンの大聖堂だった。イタリアなら大理石、ドイツでは黒い石が採れる。その黒い石で積み上げられた山は人工物とは思えない巨大さで自然の景観化と…

カテドラル その④ 【 ノートルダム大聖堂 】

『ノートルダム大聖堂 (Cathédrale Notre-Dame de Paris)』 数年前に火災に見舞われ、燃える屋根が崩れる映像は衝撃的だった。フランスはパリの象徴だろう建築が喪失されるのか?その現実が伝わる。実際には石は焼けずに残り、今は修復作業の真っ只中だと…

カテドラル その③ 【 キングス・カレッジ・チャペル 】

『キングス・カレッジ・チャペル (King's College Chapel)』 この教会の存在を知った事が、欧州の旅で教会も巡ろうと思う切欠だった。計画系の、通常は環境、特に「音」について講義下さった先生は民間で設計をされていた経験があり、彼の部屋にはそれまで…

カテドラル その① 【 ウェストミンスター大聖堂 】

『ウェストミンスター大聖堂 (Westminster Cathedral)』女王様の葬儀が行われたウエストミンスターの教会、割と新しく質素な教会で行われるのかと思えば、それは『ウェストミンスター寺院』の方であった。なんとも紛らわしい。 こちらはビザンチン様式とさ…

”veil”に包まれる川面

ベール (服飾)、ヴェール(veil) - 女性用の帽子として用いる薄い布。ウエディングベールなど。多くは頭の上から顔を隠すようにかぶせる。かつては悪魔などから身を守る効果があるともされた。 転じて、物事の真相や本当の姿がわかりにくくなっている要因を…

Compact house 考 リビングで大の字になれる家を考える ㉕ 椅子を置く。

設計では本能的にこういう場所を作る。油断すると「便利」等の理由で収納等で埋められてしまう。大抵はクライアントと陣取り合戦をして過ごすと思う。残せると、そこは心の拠り所になれる、はず。椅子は人の場所を暗示し、スケール感も伝える。和の建築なら…

スケッチ。

あれこれと、何度目かの佳境にある設計事案、打ち合わせでは図面が数多く散らかる。「どうなるんだろう?」と先ずは理解し、「どうしようか?」を思案したり、「こうしよう」と考える時はとりあえず描く。手短にある紙は図面の裏だ。持ち帰ってくる図面は、…

パッツィー家の礼拝堂

初めて訪ねた欧州では、ずーとスケッチを描いて過ごす、北はフィンランドから南下する旅であった。北海道人には眩しい過ぎる陽の光の量を前にして、それまで基本にしていたペン一本では表現できそうになく、持っていたセピアのグアッシュで描き出したのはイ…