2022-01-01から1年間の記事一覧

オンネトー その①【管理棟建築】

もう25年以上も前の事、道東は阿寒国立公園にある小さな湖、オンネトーのキャンプ場の管理棟施設の設計に携わった。計画し、実施図面を描いた。ただ、監理には携われずの心残りある建築で、あまり紹介をした事はない。図面にあれこれと記しているのに、不明…

【月見珈琲会】 皆既月食の夜。

雨か曇りの予報は当日、これ以上ない夜空であった。11月の寒空、月食に合わせ【月見珈琲会】を催す。河川敷を走ると、大きなレンズを構える方が在った。仕事帰りでせめて暗がりをと河川敷にきたらしい。構えれていたのは1000mmのレンズ。この世にそんなレ…

空間を科学する・・・【光明寺】のスケール感 その⑤

科学ではなく「考察」が正しい。空間は連続するけれど、全てを見通せるわけではない。シーンとシーンが繋がり空間を経験する。設計では図面やスケッチ、模型を使い「スケール感」を大切に空間を求めた。図案化をしたので、シーンを順に眺めてみたい。①「境内…

空間を科学する・・・【光明寺】の境内 その④

境内の空間を、⇒その①、⇒その②、⇒その③で解説を試みた。導かれた先の境内は?人の写っている写真はなかなか載せられないので、CGパースで案内。スケール感を抑えた佇まいが自慢の光明寺。全長70mの巨大な建築だけれど、人が大きく見える。境内とは言って…

空間を科学する・・・【光明寺】の境内 その③

ヴォリュームで眺めた考察その②を、もう少しリアルに眺める。設計時にパース製作用に作った3Dモデルがあるので、直ぐに再現できる。 交差点が直交していると勘違いしている時に認識する「境内空間」。 建築の効果を加えた実際の「境内空間」。我ながら、竣工…

空間を科学する・・・【光明寺】の境内 その②

空間の考察、その①に続いて立体的な解説をしてみたい。先ずは、簡素なモデルを使って説明を。国道からお寺の建築と境内を眺めると、じっくり観察すれば別として、車で移動するなら、この様なヴォリュームに捉えられると思う。この目線では、道路は直交してい…

空間を科学する・・・【光明寺】の境内 その①

音更で設計した光明寺、その敷地には特徴があった。一般的には利用されない特徴に違いないけれど、この設計では上手く利用する事である効果を引き出している。ギリシャの柱はエンタシスと言い、中央にむくりをつけ視覚的に中央が細く見えないよう配慮してい…

本堂。

今年は無事に御門徒様と一緒に報恩講を執り行ったとお聞きする。とても嬉しい報です。その際の内陣の風景が届いた。一年の中で最も綺麗に整えられるのが報恩講で良いのだろうか?先日訪ねた時とは違い、正に絢爛。このお寺の設計は、御本尊ありきで計画して…

光明寺を訪ねる。

自然光でこの光景を創れたのは設計冥利に尽きる。しかも曇天の日にも関わらず。光明寺は本堂、その内陣の一枚。本当に久しぶりに、ここに辿り着けた。 伝統的な本堂の内陣は柱、梁、欄間、建具等で仕切られた奥に、開口を持たず深淵の暗闇を作り、金箔の壁天…

光明寺を訪ねる。

少し前の事になるのだけれど、雪降る前にと訪ねたのは音更で設計をしたお寺、光明寺。住職にはお話は伺っていたし、写真も送って頂いていたものの、やはり自分の目で見ておきたい。本当に久しぶりの機会だった。本当は、写真を載せるなら晴天時のと思うのだ…

オツネントンボ。

随分と冷え込む様になり、秋から冬への季節の移ろいを実感する10月末、陽気な一日を感じた際に予感をしていた。昨年の同じ季節の頃にトンボと出会った事が脳裏に過る。写真は室内に迷い込んで休憩中のトンボ。窓枠に止まり静かにしていたので被写体になって…

空間を科学する・・・【Bookshelf】の庭

「科学する」と書けばやや仰々しいけれど考察は設計に欠かせない。もともと正解のない「空間」をどう把握するか?指標らしきはある。読み返していた古い本、芦原義信さんの「街並みの美学」(岩波書店)は学生時代にお世話になった一冊だ。随分と影響を受け…

【Booksheelf】焚火会。

先週末、築16年を迎える【Bookshelf】にて焚火会のお誘いあり。楽しい一夜でした!秋深まり寒くなった頃にお呼ばれする「焚火会」は既に恒例行事、今年も焼き鳥を差して持ち込みました。人数を聞いて鶏もも3枚分を刺したのだけれど、少し多かったか?来年は…

【PW Residence】美装後

ニセコで設計した住宅は完了検査をし美装を終える。まだ工事は残っていて、家具もあるので竣工ではないのだけれど、先日訪ねたので写真を掲載。暑いくらいの陽射し、天候が良いと緑も鮮やかで建築が映える。80坪の住宅、全長29mの南側全景。外構工事は来春…

近所の木星。

「昴」と呼ばれるプレアデス散開星団は銀河系内にある。肉眼で夜空に見える光点たる星のほぼ全ては銀河系内にある恒星だ。恒星とは太陽のように核融合して燃える星のこと。モヤとしてみえるのにアンドロメダ大星雲がある。これは極めて遠い天体だけれど、銀…

真に深淵の隈

ひょっとして水平線の奥まで星が見えるのでは!と期待したものの、最も遠くの『奥』は闇の中で定かではなかった。間違いなく深淵の闇を見る事が出来た。雲は薄く低く、切れ間からは星が覗いていた。波は遠くの街の灯を浴びて輝く。ここは人生で最も多く訪ね…

夕陽。

どうにもまとまった休みがとれず、しかし閉じ籠っていると気が萎える。思い切って夕焼けを目指してドライブした。天気予報とにらめっこしてタイミングを見計らったものの、夕焼けには出会えたけれど水平線に消える太陽は見られずだった。空模様だけは全く人…

カテドラル その⑥ 【 サグラダ・ファミリア 】

『サグラダ・ファミリア (La Sagrada Família)』 基本的に訪ねた際は写真を撮る。この旅では数千枚を撮った。あまりに撮るのでフィルムに困り、もっとも安価なイルフォードの白黒フィルムを現地調達し使う。ただ、自分の手を動かさなければと毎日スケッチ…

カテドラル その⑤ 【 ケルン大聖堂 】

『 ケルン大聖堂 (Kölner Dom)』 ゴシック様式の教会が如何に巨大で荘厳か、まざまざと実感させられたのがケルンの大聖堂だった。イタリアなら大理石、ドイツでは黒い石が採れる。その黒い石で積み上げられた山は人工物とは思えない巨大さで自然の景観化と…

カテドラル その④ 【 ノートルダム大聖堂 】

『ノートルダム大聖堂 (Cathédrale Notre-Dame de Paris)』 数年前に火災に見舞われ、燃える屋根が崩れる映像は衝撃的だった。フランスはパリの象徴だろう建築が喪失されるのか?その現実が伝わる。実際には石は焼けずに残り、今は修復作業の真っ只中だと…

カテドラル その③ 【 キングス・カレッジ・チャペル 】

『キングス・カレッジ・チャペル (King's College Chapel)』 この教会の存在を知った事が、欧州の旅で教会も巡ろうと思う切欠だった。計画系の、通常は環境、特に「音」について講義下さった先生は民間で設計をされていた経験があり、彼の部屋にはそれまで…

カテドラル その② 「カテドラル」デビット・マコーレイ作 岩浪出版

絵本を紹介する。「カテドラル」デビット・マコーレイ作 岩浪出版建築書籍として、かなり当初から私の本棚に鎮座する一冊だ。絵本?いや、専門書に違いない。誰にでもわかる絵解き解説は学生だった私に強く響いた。もっとも驚いたのが工期だった。常識的な今…

カテドラル その① 【 ウェストミンスター大聖堂 】

『ウェストミンスター大聖堂 (Westminster Cathedral)』女王様の葬儀が行われたウエストミンスターの教会、割と新しく質素な教会で行われるのかと思えば、それは『ウェストミンスター寺院』の方であった。なんとも紛らわしい。 こちらはビザンチン様式とさ…

月見珈琲会

一度してみたかった豊平川での珈琲会、月見をしようと企む。残念ながら雲は厚く、夕焼けも月も見えずではあった。秋の夕暮れ、川の中に4人で珈琲を頂く。参加者は皆が自転車。暗闇から現れ、暗闇へ去る珈琲会であった。車移動前提の私の珈琲セットをカバンに…

秋分

西側採光は興味深い。日没まで熱を伝える方位なので基本は塞ぐのが良い。ただし、朝陽とは違って起きている時間に不思議な光が届く。どう使うかを考えるのは実に楽しく、許される唯一の方位が西方だ。不思議?遮るものがなければ水平の光が室内に入り込む。…

【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】その⑨ ギャラリー展

訳もわからずにつれて行かれたギャラリーで模型を置くと告げられ、その夜に即興で展示イメージを創り上げた。場所が決まり、目的が定まれば『設計』を始めるのは既に習性だ。描いた思ったのは、伝統的なお寺の本堂の内陣。阿弥陀様の如く、模型を中央に配置…

【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】その⑧・・・専門家による現地調査参加

解体の危機に直面する百年記念塔は、50年先のメンテナンス費用に比べ解体費の方が安価なので解体すべきと政治判断が下されている。・・・50年先までのメンテナンス費用?本当にそれに照らしてしまえば、道庁も時計台もテレビ塔も当然ながら免れないけれど、…

生命

地球は46億年前に、生命は40億年前に誕生する。当時の地球に緑はなく、水があるだけの荒涼とした世界?生命はその後32億年以上は単細胞生物のみ、今から8億年程前に多細胞生物が生まれ一気に多様化する。単細胞生物であった頃の大きな変化は真核生物、つまり…

【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】その⑦・・・記念塔のモデリング その⑫ 模型

これは3Dプリンターによる模型、製作は高校の同級生の相原賢一くんによる。高校の同級生と今一緒に何かが出来るとは思わなかった。とても嬉しい。しばらく前の小同窓会で互いに何をしているのか知らせた事があり、彼の趣味ではあるけれどその技術に信用をお…

【 百年記念塔 Digital Reconstruction 】その⑥・・・記念塔のモデリング その⑪ パース

春に製作した百年記念塔のパース、記事は尻切れトンボで完成パースを載せていなかったので改めて。極めて多彩な見え方のする塔は、遥か遠くからはランドマークとして一本の塔に見える。近寄ると様々な表情が見える。造形的にはシンプルに違いないのに見え方…